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語り尽くせない伝説

さて、せっかく中島みゆきさんについて語っているのだからこれまで歌手として成し得てきた伝説にもいくらか触れていきたい。そもそもデビュー以前から出身地で彼女のことを知らないという人がいないほどの有名人だった。これが芸能人になる前というから凄いのだが、ここで母が好きだと言ったのも理解できる。何せ母の出身も帯広なので、それなら好きだというのも理解できるという話だ。デビュー前からコンテスト荒らしとまで呼ばれ、彼女のことをプロ歌手と勘違いしていた人も多そうだ。何気に親衛隊やらファンクラブなどもあったのではないでしょうか。

ただ中島みゆきさんの楽曲はどちらかと言うと、しっとりと艶めか敷く、人のナイーブな部分をここぞとばかりにえぐり込むよう傷口に塩を塗りたくるようなしんみりとした楽曲が多い。別名『失恋歌を歌わせたら日本一』と称されるほどだ。名誉なのか不名誉なのかはこの際良いとして、落ち込んだ時に中島みゆきさんの楽曲が流れると悲しみに拍車がかかりそうですね。ただそれを逆手に取って悲しい状況になりすぎて、これじゃないと面白おかしく展開する手法に用いられたりもする。

ですが中島みゆきさんの楽曲はただ音楽としてあるのではなく、そこに刻まれた歌手としての楽曲以上に作品の世界観がとりわけ注目される。一重に『中島みゆき流文学』と称するべきか、楽曲のモチーフになるテーマは常に普遍的で、一般市民の日常に視野をおいた作品が多いこともあって、感情移入のしやすさも相まって評価が非常に高いのは言わずと知られた話だ。彼女の魅力を引き立たせているのはそうした普遍性を帯びた作品でありながら、聞き手によっては捉え方が異なるという点も相俟っている。まさに生ける伝説の持ち主、ということだ。

そんな中島みゆきさんには、まだまだ多くの伝説が残されています。

中島みゆきの逸話

ユーミンとの関係

同世代の歌手として比較される方といえば、『松任谷由実』さんが挙げられます。事実、ユーミンは中島さんのことを『ライバル』と見ているという。飛雄馬と満みたいな関係だと思ってくれていい、というと殴り合いの喧嘩すらしている風に感じられるかもしれませんが、そういう意味合いではない。何せこの二人が後に身内の間柄になってしまうという皮肉すぎる展開を見せるわけだが、世間が思っている以上に良好な間柄なのもよく知られた話だ。

友人、というには遠すぎて、ライバルというには近すぎる関係性となっている。なんとも測りかねるお二人の関係ですが、それだけお互いに歌手としての実力を認め合っているというわけだ。人にはわからない、お互いにしか理解し合えない距離感という表現がこれだけしっくり来る関係も早々無いでしょう。

5つの年代に渡り

この伝説は外せません、中島みゆきというのが時代を超えて、世代を超えて愛されている証拠と語るには十分すぎるのが、1970年代から2000年代に渡りその全ての時代で発売したシングCDが最低一作は『オリコン1位を獲得』という偉業を成し遂げたのだ。これは日本の音楽業界で誰も成し得ていない快挙であり、中島みゆきという人の凄さを物語るにふさわしい記録となっている。

旧い時代から活躍する歌手は加齢によって歌声にも影響を及ぼす、中島みゆきさんもその影響はあるものの、変化の見られない声質も相俟ってこその人気の高さだと思えばこの記録も納得できるはずだ。一時期は陰りとなって、新曲を発売しても上位にランクインすらしなくなることもあったものの、00年代に発売された『地上の星/ヘッドライト・テールライト』の底力を見せつけた時には、やっぱり中島みゆきって凄いんだなって痛感させられたものです。

意外すぎて想像できない

逸話として語る中で、中島みゆきさんが制作した楽曲にも注目が集まる時があります。中島みゆきさんの曲といえば先述で述べたように、人々の影的な部分を濃縮した陰鬱さを保ちながらも、情緒あふれる文学作品に仕立てられた芸術といえる。叙情的な作品の多い楽曲が多いため、コミカルめいた内容の楽曲を歌っていることはもちろん、作っているのも想像できないのが普通のはずだ。けれど中島みゆきさんの作り上げた作品の中で、本当にコレッ作ったんですかと疑いたくなる楽曲があり、それを他の歌手に提供しているという。

これまで発表してきた楽曲の中で、とても中島みゆき作とは思えない作品といえば、工藤静香さんの代表作となっている『MUGO・ん…色っぽい』だ。正直筆者がそれを知った時、戦慄した。嘘だと、こんなコミカルな歌詞をあの人が作れるのかと何かの間違いだとその場にいた友人の肩を掴んで否定したほど。全く想像つかない歌詞を作れますが、それ以外の楽曲は中島みゆきさんらしい楽曲が多く連なっている。

ただ中島みゆきさんの楽曲を利用して、何故か面白おかしく出来てしまう芸風もあるので世の中使いみちによってはなんでも笑いに出来てしまう辺りが怖い。

伝説はまだまだ刻まれる

中島みゆきさんの動向で気になるのは、やはり2010年代にオリコン1位を獲得できるかどうかだ。人気は現在も高いものの、今のところ発表された楽曲の中で最高位は5位の『麦の唄』となっているので、あと3年で記録を更新できるか、内心期待している人も多いでしょう。ここで意図的に売上を伸ばすような策略が仕組まれては台無しですが、この方の記録に関してはそれはなさそうだ。なので純粋に達成できるよう、静かに動向を見守りたい。