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地上の星の凄さ

地道なセールスでミリオンを記録

プロジェクトXを語る上でもやはり中島みゆきさんの存在を忘れてはならない。この作品は音楽史という意味においてもすごい記録と言えるだけの歴史を刻み、中島みゆきさんの00年代を語る上で重要な作品でもある。『地上の星/ヘッドライト・テールライト』、誰もが一度は聞いたことのある名曲、と今はしておこう。人によっては知らないという方もやはりいるが、筆者の世代では知らない人はいないといっていい。それくらいにプロジェクトXが人気を博していた頃から注目を集めていた。

しかし今作の凄いところはそこではない、発売されてから実に4年にも渡って人々の記録に刻み続けていたのです。中島みゆきさんという方の作品を知る上でも、地上の星は欠かせないと語る人もいるでしょう、あまつさえ代表曲とすら仰る人もいるはずだ。

では今作のどんなところが凄いのかというと、発売からミリオンに至るまでの期間の長さがとんでもないことになっているのだ。

作品概要

今作において起用された時には、中島さん本人としてはアルバムに収録するだけでシングル化の予定はなかったという。ですが放送が始まったと同時に公開された地上の星を聴いたファンから、『これは絶対にシングルCDとして発売して欲しいです!』との要望が相次いだとのこと。恐らくそれ以前からシングルカットする予定はなかったのでしょう、意外なほど集まった熱望に応える形で中島さんサイドはシングルCDとしてリリースする。多分だが、良くて10万枚程度売れればいいほうだと思っていたのではないだろうか。それがまさかのミリオンセールスを記録してしまうのだから、何事もヤッてみないとわからないものだ。

発売は2000年7月19日にてリリースされ、その年の年間ランキングにおいてはTOP100にも食い込まなかったものの、その後の流れを追ってもらうと作品の人気がじわじわと上がっていくのが見て取れます。ちなみに発売年ではランクインしなくても、2001年から3年間に渡ってTOP100位内にランクインしているのです。ちなみにそれぞれの年度での年間セールスランキングと枚数はこのようになっています。

年度 年間ランキング セールス枚数
2001年 78位 24万5,000枚
2002年 67位 18万1,340枚
2003年 11位 51万6,258枚

2000年ではランクインすらしなかったのに、発売から累計4年の2003年で年間ランキング11位の50万枚を超えるセールスを記録するという偉業を成し得たのだ。本来、4年ほど前に発売されたシングルCDがこれほど売れるなど滅多にある話ではない。それだけ地上の星という作品に魅了され、知らなかった人たちが買い求めた結果となって出たのです。

やはりというべきか、中島みゆきという歌手がどれほどの存在で、彼女の織りなす独自の世界観で彩られた作品の素晴らしさは時代を超えて愛され続けるということを証明する形になった。

オリコン週間ランキングも1位獲得

これだけの売上を見せていたので、今作は発売から大分経った後に週間ランキングで1位を獲得した。初登場のランキングから実に数年越しの1位とだけあって、過去にこんな記録を達成した歌手がいるだろうか。それまでは発売から44週後に1位を記録した作品はあったが、地上の星は発売されてから実に『130週目』に獲得するという、恐らく今後記録を塗り替えるのは不可能といってもいい。

ミリオンセールスを記録し、中島みゆきさんの作品の中では『空と君のあいだに』に次ぐ歴代2位の売上を記録した。まさかこんなことになるとは、そう制作サイドと中島みゆきさん当人は思っていたに違いない。そもそも消費者ですらここまで凄い人気を得るとは予想していなかったはずだ。

よくある話とのこと

地上の星はその歌詞も注目されますが、正直言うと覚えにくいと感じている人もいるでしょう。当人はよく暗記していられると思っているでしょうが、ライブなどでは中島さん本人もしょっちゅう歌詞を間違えているという。それは当人も自覚しているのか、コンサート前にCDを聴かずに来てくださいと告知するほど。もっとわかりやすくすれば良かったのではないかと言いたくなるでしょうが、本人を含めて制作サイドもここまでのヒット作になるとは夢にも思っていなかったはずなので、大目に見るべき点でしょう。

ミリオン突破作品が無くなる中で

00年代に入るとそれまで当たり前のように記録されていたシングルCDの売上が低迷します、突破する作品こそあれど、行き届かないなどよくある話になっていた。地上の星も年間という面ではミリオンは記録せずとも、4年間という時間を掛けてミリオンセラー作品になったと考えれば、突発的に売れるよりも息が長く売れ続けるということの方が凄い。

時代や悪女、空と君のあいだになどの名曲を数多く生み出した中島みゆきさんに、また一つ名曲が誕生した瞬間でもある。